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Life Changer(裏)5 [小説]

第二章2

下河原のカウンセリングが近づいている。

タカマシティに戻ってから下河原はRuriのアルバムを購入して聞き込んでいる。

下河原の状況はほぼ問題のないくらいに問題が解消されている。これが重要人物だといわれるRuriの歌の力か、下河原のRuriに対する思いの力かは判然としないが、事実として一人の人間の病的な症状を解消してしまいそうである。

ただ、オペレーションの目的はあくまでRuriの命を守ることである。具体的な方策はまだ知らされていないが、下河原とRuriが接触することによってRuriの命が助かることは確かなようだ。

具体的に命を救うプロジェクトチームは別に存在しており、既にRuriには接触しているようだ。ただし、現状ではRuriが生きるという意欲を失いかけていることが問題で、意欲を取り戻させるために下河原の存在が必要なのではないかと私は推測している。

もう少しプロジェクトが進展すれば、私にもその方策が説明されることだろう。

下河原のカウンセリングでは、彼の陥った状況について分析しなければならない。

実践には至らなかったとはいえ自殺の可能性を感じさせる精神状況にあったことは確かなので、その原因を明らかにすることによって今後の労働力保全の方策を立てるのに役立つことだろう。

下河原に関してはRuriのオペレーションだけでなく彼の精神状況についても重要な案件だ。

現在は安定しているが、何時またあのような状況に陥るかわからない。それを未然に防ぐためにも今度のカウンセリングは慎重に進めなければならない。

直接接触は難しい面もあるが一番得られる情報も多い。きっとうまく進めることができるだろう。

このオペレーションが始まってから聴き始めたRuriの歌は精神状況に良い影響を与えているようだ。何か絶望的な状況に陥っても、とても前向きになれる、勇気を与えてくれる歌だ。

こんな点がRuriが重要人物とされる理由の一つなのだろう。


タグ:Life Changer
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