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Life Changer(裏)13 [小説]

第三章1

Ruriと下河原。

この二人はよく似ている。
マッチングシステムでの相性だけではなく、思考パターンセンサーの波形がよく似ている。

考え方、与えられた刺激に対する感じ方がよく似ているということだ。
世間では価値観が似ていると言われる状況に近いと思う。

思考パターンセンサーを使えば結婚相手を見つけるのも便利になるのかもしれないと、この仕事に就いてから思うようになった。

何人もの思考パターンを見ているとよく似たものがあることがわかる。

オペレーションリーダーになってまもなく、オペレーション対象となった夫婦の思考パターンを確認する機会があった。そのパターンはよく似ていた。長年一緒に暮らしていたためによく似た思考パターンになったのか、元々似ていたのかはわからないが仲のよい夫婦だった。

思考パターンが似ていると惹かれ合うのはよくあることのように思う。今回のように意図的に出会いを仕掛けた場合でもパターンが似ていればよけいな仕掛けをせずとも惹かれ合ってくれる。

ただ、今回の二人は今まで見てきた思考パターンの類似の中でも一際よく似ている。科学的ではないが魂がよく似ているとでも言うべきなのかもしれない。

部屋へ戻った下河原は考え込んでいる思考パターンがでている。Ruriに対する自分の気持ちに対していろいろな考えを巡らせているようだ。

愛情、尊敬、疑念いろいろな感情の入り交じった思考パターンが混沌としたまま睡眠状態へと収束していった。

下河原にとって激動の一日が終わったようだ。

遠山は感慨深げに深く椅子に身を沈めた。

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