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満員電車1 [小説]

1.つよし(1)


あ~。眠い

月曜日は憂鬱だ。休み明けは遊びの気分を引きずってるので頭がぼんやりしている。

俺は、通勤時の楽しみのゲームをしながらホームで電車を待っていた。

電車が到着してドア際の位置を確保。

これで、会社へ着くまでの間ゲームに集中できる。

満員電車でやるゲームがまた楽しいんだよな。

周りのことを気にしなくて良いし、何よりゲームは楽しい。

特にロールプレイングゲームがお気に入りさ。

今日は新しく手に入れたダンジョンの地図をクリアすることが目標だ。

さあ、やるぞ!

電車に乗っている時間は30分くらいなので効率よく進めなきゃ。

電車は次々と駅に止まり、人が降りたり乗ったりしている。

俺はドア際の橋を確保しているので降りる必要はない。ゲームに集中できる環境だ。

だが、ある駅で中年のおやじが乗ってきた。

こいつは強引に車内へ入ろうとしている。

それで、他の乗客に押され俺の所まで流れてきた。

人が気持ちよくゲームをやっているのに俺の腕におやじの腕が当たっている。

まあ、満員電車だからしょうがないか・・・。

でも、そのおやじは位置が決まった後もごそごそと動いている。

あ~ 鬱陶しい。

静かにできないのかこの野郎。

もそもそ動かれると操作を誤っちまうじゃねえか!

と思っているが良識ある大人の俺はそんなことを口に出さずに、ゲームに熱中し始めた。

ゲームに熱中していれば周りのことは気にならない。

これが、おれの満員電車の過ごし方だ。

でも、今日はいつもより周りのことが気になってしまった。

このおやじのせいだ・・・。



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